NEWS SCHOOL 【コラム】1月 正月を彩るのは、「歳寒三友」松竹梅? 2024.12.10 《 Belles Fleurs Tokyo フラワーデザインコラム vol.23 》 一年の始まりとなる一月。一月の代表的な和風月名は、「睦月(むつき)」です。一月を「睦月」と呼ぶのはなぜ? 睦月は、「睦び月(むつびづき)」が略されたものというのが、一般的な説です。親睦会というように「睦 (むつ)ぶ」とは、仲よくするという意味があり、新年を祝って、家族や親族が集まり、睦び親しむ月だからといわれています。 一月のことを「正月」ともいいます。では一月と正月にはどんな違いがあるのでしょう。単なる別称であって違いはないと思うのですが、そうではないようです。 一月は一年の最初のひと月です。それに対して正月は新年に年神様をお迎えしてお祝いするための行事を行う期間です。普通、一日から三日までを三が日、七日まで(関西は十五日まで)を松の内となっています。この元日からの期間を「大正月」とも称し、それに対して十五日を「小正月」(二十日に「小 正月」を行う地域もあります)といって、正月の行事を締めくくる日となります。「小正月」までが正月で、それが過ぎたら正月とは言わないのです。つまり正月は、一月全てではないのです。 そんな睦月のなかでもおめでたい行事のお正月は、それにふさわしい花の飾りがあります。門松やしめ縄などの正月飾りは、家内安全や五穀豊穣などのご利益をもたらす年神さまを迎え入れる目印として設置するものです。また、新年のはじまりを祝うお正月には、掃除の行き届いたきれいなお部屋に、幸運を願って縁起の良い花を室内に飾る「おもてなし」の花もあります。 * 縁起の良い組み合わせとして「松・竹・梅」があります。 松竹梅の起源は、中国・宋時代に始まった文人画の画題「歳寒三友」(右図 : 歳寒三友図横披、観峰館蔵)です。「歳寒三友(さいかんさんゆう)」の意味とし「歳寒」は寒い季節つまり冬を示し、「三友」はその寒い季節にも立派に緑を茂らせる松と竹、綺麗な花を咲かせる梅を示しています。「厳しい寒い季節にも耐える三つの友」として、文人の理想とされる「清廉・潔白・節操」を表現する画題として好まれ、冬の寒さの中でも美しい松竹梅が好んで描かれたのです。 * 平安時代に文人画と「歳寒三友」が日本に伝わり、日本の風土や植物の伝承などと習合して、縁起のよい植物の組み合わせとなり、下の図のように着物の文様にも使われてきました。縁起が良いとする「松」「竹」「梅」の象徴的な意味合いは、次のような思いと願いが隠されています。 「松」は、お正月を別名「松の節句」と呼ぶように、神様の依り代となって邪気を払う重要な役割を担っています。常緑樹で冬でも葉を落とさず青々としている松は、不老不死の象徴でもあります。 「竹」は、天に向かって真直ぐに伸び、生命力と健康の象徴とされます。また秩序正しく等間隔にできる節目が、節操のある成長を意味し、邪気を払うことで家内安全や無病息災の願いがこめられます。 「梅」は寒い冬に最も早く花を咲かせるため、希望を象徴します。また梅には「高潔」「節操」「清純」の意味があり、紅白の花を咲かせることも縁起がよい花とされてきました。 松竹梅の意味を理解したところで、お部屋を掃除して、四君子のひとつ蘭の花を飾り、お正月には家族や友達と睦び親しんで過ごしましょう。 良いお年をお迎えください。 「松」は、お正月を別名「松の節句」と呼ぶように、神様の依り代となって邪気を払う重要な役割を担っています。常緑樹で冬でも葉を落とさず青々としている松は、不老不死の象徴でもあります。 「竹」は、天に向かって真直ぐに伸び、生命力と健康の象徴とされます。また秩序正しく等間隔にできる節目が、節操のある成長を意味し、 邪気を払うことで家内安全や無病息災の願いがこめられます。 「梅」は寒い冬に最も早く花を咲かせるため、希望を象徴します。また梅には「高潔」「節操」「清純」の意味があり、紅白の花を咲かせることも縁起がよい花とされてきました。 松竹梅の意味を理解したところで、お部屋を掃除して、四君子のひとつ蘭の花を飾り、お正月には家族や友達と睦び親しんで過ごしましょう。 良いお年をお迎えください。 * ■2025 お正月飾り 迎春ギフト OLD ツイート