「凛(RIN)」コレクションについて
この度弊社「凛」シリーズが、おもてなしセレクションを受賞いたしました。
おもてなしセレクションとは、日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードで、グローバルな審査員の厳正な審査により多角的に評価されたものにのみ、授与されるアワードです。「世界に発信したい“日本ならでは”の魅力にあふれている」と認められた対象を、おもてなしセレクション受賞商品・サービスとして認定されています。
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世界が注目。日本のプリザーブドフラワー
2002年から日本のプリザーブドフラワー業界を牽引してきたベル・フルール。以来、日本におけるプリザーブドフラワーの認知度や需要は拡大し続けています。元々はフランスが発祥のプリザーブドフラワーですが、今や日本はデザインの技術も世界最高峰の実力を誇り、昨今は世界各国が注目しています。
ベル・フルールはさらなるステージとして、日本人ならではのプリザーブドフラワーを世界に発信すべく、日本人の美意識と匠の技が結集したブランド「凛(RIN)」を1年の制作期間をかけて完成させました。
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“平面と立体”が作り出す景色
きっかけは、工房利八の「浮世絵桐箱」との出会いに遡ります。天然の桐に最先端のレーザー加工技術を使って表現された陰影や深みのある浮世絵桐箱にベル・フルールは感銘を受け、工房利八とのコラボレーションが始動しました。
挑戦したのは、ハイテクノロジー浮世絵桐箱とプリザーブドフラワーの融合。花のデザインだけでなく桐箱自体のデザインから手がけました。「平面」である浮世絵の彫られたふたを立てることで、「立体」のプリザーブドフラワーとひとつの景色を作り出し、想像力をかき立てるような世界感の構築を目指して、何度も試作を重ねました。
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五感に響く自然の温もり
木箱の素材である「桐」は上質な国内産の天然木を使用。さらに、変色や反りなどを防止するため、木を平らに寝かせて半年間かけて乾燥させるという、大変手間のかかる平干しの手法を採用しています。
また、桐箱には金属の釘を使わず、箱に彫られた溝を重ね合わせることでふたが美しく自立するようデザインしました。
レーザーによる精巧な文様、波のしぶき一つひとつの凹凸。五感を研ぎ澄ませてその手触りや温もりを存分に感じてください
Company Profile
【 株式会社ベル・フルール 】
1981年創業のフラワーデザインカンパニー。
トップデザイナーはプリザーブドフラワーを日本に広めた第一人者として、デザイン・教育分野でコロンビア政府より表彰を受ける。2008年、東京銀座に日本初のプリザーブドフラワー専門店をオープンし、ギフトやインテリア、ライフスタイルに至るまで新たな花の魅力を提案。直営2号店の虎ノ門店や、三越・伊勢丹・大丸など日本トップの百貨店へ展開。近年では国内各地のみならず、海外でもデモンストレーションの開催や大学講師を務めるなど、活動の幅を広げている。
【 工房利八 】
株式会社ワークステーションがプロデュースする「工房利八」。
デザイナーやアーチストの感性と独自の加工技術をコラボレーションして、新ジャンルのアート作品を世に送り出す。「昔の職人の技を現代の職人がハイテクノロジーで現代に蘇らせる」を創作テーマに掲げる。2016年、超立体桐箱及び版木絵が経済産業省「The Wonder500 ™」に認定される。フランス・パリのセレクトショップ「maison Wa」にて常設展示スタート。
「越後屋オンライン(三越)」 にて、開発に込めた想いを語るインタビューが掲載されています。
>> “ベル・フルール”今野亮平 × “工房利八”海老沼惠也 SPインタビュー
凛・M
江戸の風景が広がって
独自のレーザー技術により立方体に継ぎ目なく、美しい日本の伝統文様が彫られた商品。その彫刻の細かさには目を見張り、凹凸感を手で触って楽しめます。ふたを開けると、内側に浮世絵と、鮮やかなプリザーブドフラワーが出現するサプライズ。ふたの浮世絵が描いてある方を正面に向けて箱本体の溝に挿すと、プリザーブドフラワーと江戸の景色が繋がります。
紅色の小箱は、それだけで宝物のように感じられる美しさです。そのふたを開けると、うろこ雲が浮かぶ快晴の空に、山肌が赤く染まった雄大な富士山が現れます。山頂から裾野にかけてのレッドからグリーンのグラデーションがそのままアレンジメントに繋がるようにデザインしました。補色の色使いが鮮やかな一品です。箱の文様は近代女子皇族の袿(うちき)に使われた小菊の柄。中のお花にも「和」をイメージさせる2種類の菊を用い、作品全体に統一感を持たせています。
凜としたブルーの小箱には、江戸時代の狩衣の柄を使用しました。ふたを開けると、まず手前に大胆に画面を縦に割る大木が現れ、奥には入道雲のかかる富士山が見えます。平面の中に奥行きを感じさせる手法と、そのセンスの高さに影響された後世の画家たちが多いことも頷ける、素晴らしい画面構成です。木の周囲を手を繋いで計ろうとする、小さく描かれた人々の可愛らしさがより木の大きさを印象付けます。アレンジメントにも、その印象的な「木(枝)」や「野山(苔)」「夏の富士山(ブルーのバラ)」を感じさせるモチーフと構成的なデザインを取り入れました。
リズミカルな波模様は江戸時代の名家の狩衣に使われた柄を採用。浮世絵で波、といえばこの絵を想像しない人はいないほどの世界的な名画をモチーフに制作しました。ダイナミックな波の動きを、リーフ(葉物)の立体感で表現。波しぶきのようにブルーのアジサイを散りばめ、差し色になっている小舟のイエローを配色に中に取り入れました。また、絵の中の波の形を引き立てる、着色していない「空」の表情にも注目してください。木の表面を薄く彫ることで、全く同じものはこの世にふたつとない“木目を魅せる”ポイントになっています。
凛・W
パノラマに切り取る
Wサイズの特徴は、浮世絵がふたの外側に出ていることと、横長の形状にあります。ふたを閉めた状態でも浮世絵の彫刻を楽しむことができ、画面をパノラマに切り取ることでより景色の広がりを感じられます。アレンジメントも流れるような苔と花の配置を大切にデザインしました。絵と花の面積が大きいため、“引き算の美”で側面は模様のない白木の箱になっています。
富士山は世界的に見れば標高の高い山ではありませんが、名山と呼ばれる理由のひとつはそのシルエットの美しさにあります。その姿をシンプルな線と効果的な色使いで表現した「凱風快晴」は日本人の心象風景とも言える北斎の最高傑作です。Wサイズの形状はなだらかに広がる山のフォルムをより引き立たせ、横長のうろこ雲はどこまでも続く空を感じさせます。アレンジメントも自然に風が流れていくようなリズムを生み出すために、苔の分量や花の大小を計算して配置しています。
手前から奥へ向かって上がっていく波、その飛沫の先にある富士山。自然な視線の誘導が素晴らしい作品です。パノラマサイズでは躍動感あふれる波の「動」と、どっしり構える富士山の「静」の対比や余白の美も存分に感じられ、波飛沫ひとつ一つまでクローズアップして鑑賞していただけます。アレンジメントは波の揺らぎとリンクするようにデザイン。「赤富士」と対になるアシンメトリーな構成が面白く、ふたつ並べて飾るのもおすすめです。
凛・L
2Way機構
特徴は、置き型だけでなく壁掛けでも飾れる2Wayの機構。金具を使わず、ふたと箱の溝を合わせることで、2通りの飾り方ができるようにデザインしました。写真のように平たい状態で自立させることもできます。また、Lサイズは浮世絵の〈赤富士〉と、組子細工を最新のレーザー彫刻で表現した〈格子〉の、2つのデザインシリーズをご用意しました。
「凱風快晴」は、富嶽三十六景の中で唯一富士山を赤色で表現した、とても人気の高い絵柄です。このインパクトのある絵に合わせて、アレンジメントもコントラストの強い配色でシンプルに構成しました。箱の面積が大きくなったことで置き型では苔の隆起をジオラマのように楽しめ、平たい状態にして壁に飾ればインテリアの主役になりそうな豪華さです。縁起を担ぐお祝い事や外国の方へのギフトにもおすすめいたします。
垣間見える世界
日本家屋の飾り窓などに見られる、伝統の組子細工を最新のレーザー技術で再現した凛・L〈格子〉。閉じた状態でも少しだけ覗く植物の存在を楽しめるという「垣間見」の文化をこの作品に込めました。レーザーで彫る際に焼き付けられた「焦げ=影」の見える分量にこだわり、柄の大きさや線の太さを決定。繊細なふたの造形そのものは勿論のこと、格子の隙間から花に落ちる木漏れ日のような光と影さえも作品の一部になっています。
「華」と対極的に「苔」のグリーンだけで構成されたデザインは、日本の野山の風景や「侘び寂び」の心を感じさせます。凛コレクションの中で唯一着色されていない、桐箱の自然の風合いを生かした〈格子〉シリーズと「苔」の相性は抜群。眺めているだけで心を穏やかにしてくれそうです。
取扱店・メディア
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【 取扱店 】
■ベル・フルール直営店、各百貨店 SHOP詳細はこちら■ベル・フルールオンラインストア
www.belles-fleurs-store.com
【 メディア掲載、他 】
■上毛新聞(2017.8.29)■日本橋三越本店 PRIME STYLE(2017.9.6)■JAPAN TIMES(2017.10.1)■ 25ans 2018年1月号(2017.11.28)