NEWS SCHOOL 【コラム】2月 バレンタインには、赤いバラを? 2025.01.15 《 Belles Fleurs Tokyo フラワーデザインコラム vol.24 》 2月14日はバレンタインデーです。大切な人に想いを伝える、年に一度の特別な日です。 日本では「女性から男性へチョコレートを贈る」ことがバレンタインの風習となっていますが、この「女性から男性へ」というのは日本独自の文化です。欧米各国では「男性から女性へ愛を伝える日」として定着しており、愛する人に、バラの花や花束を贈ることが一般的なのです。 今では2月のイベントとして、すっかり定着しているバレンタインですが、一体なぜ「恋人たちの日」として祝われるようになったのか?その由来や起源については、以前のコラム(2023年1月「2月14日、あなたはチョコレートを?私だったら。。」)をご覧ください。 今回のバレンタインの話は、「なぜバラの花を、愛する人に赤いバラを贈るのか?」がテーマです。 バラと聞くと、まず思い浮かぶのは「愛」という言葉でしょう。愛の告白に赤いバラの花というイメージは、数々の歌に歌われ、また絵画でも色々な愛の場面にバラが描かれてきました。それは神話や伝説などとともに花言葉となって、私たちの心の中に生きてきたのです。 赤いバラの花言葉には、情熱、愛情、美、あなたを愛しています、熱烈な恋、などがあり、世界共通の花言葉です。そのような愛にまつわる赤いバラの花言葉は、どのようにして生まれたのでしょう。それは、愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)にまつわる神話にバラの誕生の秘密があります。 * ギリシア神話では、女神アフロディーテが誕生した時に、神々がバラを作って祝福したとされています。この女神アフロディーテの誕生を描いたのが、サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」(ウフィツィ美術館蔵)です。 絵の左に描かれて頬を膨らませているのが西風ゼフィロス、ゼフィロスの体につかまりながら花を散らしているのが花の女神フローラ、ヴィーナスの右に描かれているのが季節の女神ホーラです。花の女神フローラが撒いている白い花がバラで、このバラはロサ・アルバと言われています。最初に生まれたバラは白いバラでした。古代のロサ・アルバに最も近いと思われる種がアルバ・セミプレナで、白い花弁におしべが目立つ、非常に美しいバラです。(左の写真参照) * 愛と美と性をつかさどるアフロディーテは、とても恋多き女神で、シリアの王子アドニスを深く愛していました。アドニスは狩りの途中で、アフロディーテの愛人の軍神マルスが放った野生のイノシシに突かれて命を落とします。アドニスの悲鳴を聞きつけたアフロディーテは、茨や尖った岩があるのも構わず、裸足で走ります。そのときにアフロディーテが踏んだ白バラが赤く染まり、赤いバラになったといわれています。また、アドニスの死を知ったアフロディーテが流した赤い涙で、白バラが赤くなったという説もあります バラは、愛と美の女神アフロディーテの誕生とともに生まれてきたことから、そのイメージは「愛と美」に結び付けられています。そして、愛するアドニスへと走り寄るときに生まれた赤いバラは、「激しい熱烈な愛」という花言葉を生み出したのでしょう。バラには、色の違いや本数による意味付けなどがありますが、「バラの下で( under the rose )」というと「秘密に」という意味深な言葉もあります。 今年のバレンタインには、貴方から彼氏に赤いバラを贈ってみるのもいいですね。 * ■プロポーズ・告白ギフト特集 OLD ツイート